封筒の加工用紙は概ね ①用紙の選定 ②印刷 ③型抜 ④製袋というプロセスを経ながら進みます。キチンとした美しい封筒に仕上げるためには、用紙や紙目(紙の流れ目)の状態を把握しておくことが大切であり封筒加工を開始する以前に踏まえておきたい部分です。

紙目とは

製紙工場において紙を製造する際には、抄紙機という紙を抄く工程を通過します。一定方向へながれる網(ワイヤー)上に希釈した紙料(パルプ)をのせる事により進行方向にそって紙の繊維が揃います。これを「紙目」または「紙の流れ目」と呼んでいます。
製造された紙はいったんロール状に巻き取られますが、この時点での紙目はまだ一定方向に流れた状態のままです。その後、印刷や加工など様々な都合や目的により、紙はシート状(平判)に加工される事になります。シート状にした紙は通常、長辺と短辺からなる長方形をしています。裁断の仕方により長辺にそって平行に流れる紙目をT目(縦目)短辺にそって平行に流れる紙目をY目(横目)と呼んでいます。一般的な印刷用紙はT目とY 目の2種類が使用されます。

注:ここでいう一般的な印刷とは、平判用紙を一枚一枚連続的に印刷機へ通す「枚葉印刷機」による印刷をさしています。

紙目の特性

紙目と平行に折を入れると紙はしなやかに二つに折れますが、紙目に対して垂直に力を加えると紙の反発力(剛性)が強まり、折り目が荒い仕上がりになってしまいます。また紙を二つに裂いた場合、紙目にそって力を入れるときれいに裂けますが紙目に逆らい力を加えると裂け目がバリバリのいびつな形になってしまいます。さらに、紙を筒状に丸めようとしたとき紙目に対して平行に筒を作るとスンナリと丸まりますが、紙目に反した方向に湾曲させようとすると反発力が邪魔をしてきれいに丸めることができにくくなります。紙目のこのような特性は効果的に利用するとすばらしい長所となりますが、対処の仕方をあやまると不良品を作り出してしまうことにもなり兼ねない危うさを内包しています。封筒はもとより、書籍やポストカードなど様々な印刷物を加工する際には、紙目の特性を十分に考慮して適切に作業を進めることが大切です。

紙目と封筒加工

シート状に加工された印刷用紙と同様に、紙目は封筒加工においても避けて通れない留意事項となります。
業界では、本体の天地方向に紙目が走ることをT目加工、横方向に紙目が走ることをY目加工と呼んでいます。紙を折貼りして封筒の形に仕上げる製袋プロセスにおいては、時として比較的厚めの用紙を加工することがあります。その場合、縦長封筒にはT目加工を横長の洋封筒に対してはY目加工を施すのが一般的となっています。紙質や厚みにもよりますが紙目に逆らって折り加工をしてしまうと、折り目にバリが生じたり紙の反発力が強くなって封筒の貼合部分にしわが生じたりすることがあります。このようなトラブルは用紙が厚くなるほど顕著になりやすく四六判でいうところの135kg厚以上の用紙を封筒加工する際には、特に注意をすべきです。紙目を読んで仕上げられた封筒には見た目にピンとしたハリがありますが、紙目を無視して仕上げた封筒は折り目がデコボコでなんとなく弱々しい印象を与えてしまう事があります。美しい折り目のキチンとした仕上がりの封筒を製作するためには、紙目の特性をしっかりと見極めて生かすことが重要になってきます。